日本紬織物フェスティバル 2018


日本紬織物協会が主催する第18回日本紬織物フェスティバルに行ってきました。



2018 tsumugi pamph



星岡料理教室が終わってから行きましたので、終了時間の1時間前に着いて駆け足で見させていただきました。



このフェスティバルは呉服屋さんを通して案内状を受け取ることができるシステムになっているので、あまり知られていないかもしれませんが、全国の有名な伝統工芸品の紬が集まるので機会があったらぜひ見に来られることをおすすめします。



紬が展示販売されている部屋に入る前に実演コーナーがありました。



結城紬の真綿かけです。このチャーミングな方は去年も参加なさっていました。



2018 5 tsumugi mawata 1



繭を水の中で一枚一枚広げて、それを6枚ぐらい重ねたものが後ろに干してあります。これが乾くと前のほうにある真綿になります。真綿かけ8年、糸つむぎ3年と言われるそうです。




2018 5 tsumugi mawata 2



その真綿から糸を紡ぎます。この方がお召しになっている着物も自分で作った結城紬だそうです。



2018 5 tsumugi kukuri



今年は絣括りを拝見することができました。これは一反分の横糸だそうです。細い細い糸が束ねてあります。横糸の括りだけで何か月もかかるそうです。括り糸は木綿で、絹糸を綿で括り染めると、絹糸は膨張し綿は締まるので括ったところは染まらないとおっしゃっていました。



2018 5 tsumugi kukuri 2



こんな細かい設計図に基づいて括るそうです。




こちらは地機織の実演です。



2018 5 tsumugi jibata 1



美しい姿で、ほれぼれします。こんな若い方がなさっていて嬉しく思いました。



2018 5 tsumugi jibata 2



横糸が中にしのばせてある杼(ひ)を見せてくださいました。この杼をを縦糸の間に走らせ、模様揃えながら一本一本筬(おさ)で打っていきます。中島みゆきの「糸」という歌がありますねと話しましたら、あの歌は自分達のことを歌ってくれている歌だとうれしく思ったそうです。



2018 5 tsumugi jibata 3



腰にベルトがついていて、足は前の所定の位置に伸ばしています。白い布が足の上にかぶせてありますが、足を隠すだけでなく、この白い布があることで糸の模様がよく見えるそうです。生地の色によって黒い布の方が見やすいこともあるそうです。この機織りも一反織るのに何か月もかかるそうです。手織りの絣が高価になる訳がよく分かります。



山形の紅花染めの実演コーナーにおじゃましました。



2018 5 tsumugi benihana 1



輪ゴムでくくったハンカチを紅花の溶液につけて染めます。



2018 5 benibana liq



染の工程も本来なら手間と時間がかかるものですが、実演コーナーでは、参加者が紅花の色に染まるところが体験できるよう特別な溶液を用意して下さっていました。



benihana.jpeg



紅花の花を乾燥したものです。



真ん中の赤いものは花を熟成して作る紅餅です。これをすりつぶして使います。 右にあるのは烏梅という完熟した梅を燻製にして天日干しにしたもので、発色剤に使われていたそうです。今はクエン酸を利用するそうです。



2018 5 tsumugi benihana ubai




紅花の溶液にクエン酸をかけると目の前でバラ色に変わります。歓声があがっていました。



2018 5 tsumugi benihana 3



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来年はもっとゆっくり拝見したいものだと思いました。



星岡の後にいったので、カンカンさんもおつきあいくださいました。ブロ友さんのEさんもご参加下さいました。



2018 5 tsumugi fes 1



Eさんの大島はいまでは作る人が少ない十字絣(ひともと)だと大島紬のコーナーの方が褒めてらっしゃいました。カンカンさんの着物についてはカンカンさんのブログのアップをお待ちくださいね。



2018 5 tsumugi fes 2

コメント

No title

丁寧なレポートありがとうございました。
じっくり読ませて頂きました。参加されている方々が神々しく見えます。
機会があったら、私もすぐそばで見させて頂きたいです。

No title

会場はもしかして演舞場近くの…と調べたらビンゴでした♪
たくさんのいろんな紬が見られて眼福でしたでしょうね〜。
レポ楽しく読ませて戴きましたi-179

伝統工芸

sogno さん コメントありがとうございます。職人の方の仕事を間近に見れるのは何よりの喜びです。皆さん、素敵でした。

紬フェス

香子さん コメントありがとうございます。その建物から続々と着物を着た方が出てきて、その方たちの着物を見ているだけでも面白かったです。香子さんのように経験値高めの方たちばかりでした〜!

No title

こういう催し物が色々な形で広がれば良いのですが・・・

残念ながら私達が染織専攻の学生だった頃に比べても怖ろしい勢いで伝統技術の衰退が進んでいます
先日Fちゃんとも話していたように細々と個人が伝えていたものは本当に厳しい状態です
紅花染もあの赤い色を抽出するまでの行程は省かれて見せているのは苦肉の策なのかな

海外の高額なバッグに支払う人たちが着物に同じように思うかは疑問ですしね
本当に難しい

No title

実演コーナーは、
見るだけでも楽しそうですね♪

本日の着物美人
3人娘ですね♪

伝統工芸の継承

ゼペットおばさん 貴重なご意見ありがとうございます。地機を織っていた女性は、織り手が少なくなっていますとおっしゃっていました。私は着物業界の現状を知らない素人ですが、素人なりの意見はあります。一日中機織りに座って、何カ月もかかる仕事が、生活ができる報酬を生まないと後継者が続きません。そして手織りはこのような大変な工程を経て作られていると理解して、着物を買う人が増えなくてはいけません。10万20万ならブランドで絹のドレスを買えば、そのぐらいかかるので理解はできますが、60万100万とかつくと現実的ではありません。作り手への報酬、呉服を一般の人が買える価格にすることが必要と思います。着物は日本人の女性を格段に美しくしてくれます。ブランドのバッグの比ではありません。特に私の年代。どんどん歳とって輝きが無くなっていく世代は着物を着ると本当に素敵になります。私はそれを皆さんにお伝えしたくてブログで顔を晒しています。当日は手織りの久留米絣を買いました。自分で仕立てようと思っています。

記念写真

桃ママさん コメントありがとうございます。本日の着物美人の看板!😊私も写真を見て気がつきました!お恥ずかしい限りですが、女学生のように楽しい時間を過ごしました。

紬フェス

あるばとろすさん、お誘いいただきありがとうございました。
結城の工程が見れて良かったです。織物は蚕を飼い、糸を紡ぎ、括り、染めて織るという気の遠くなる作業で、どれだけ値段が高くついてもおかしくないものだと思っています。織るのも一日で確か10数㎝ということでしたね。この伝統工芸を維持するには国策しかもうないようにも思えます。
京都に行くと、着物姿の人がさりげなくいますが、(ポリの着物の観光客も多いが) 一つはお茶の文化が支えています。これもどこまで続くかと思うものですが。
これだけ手間のかかるもの、代々伝えて行きたいですね。
いろいろな公募展などに行くと、織物自体はやっている人が多いと感心してしまうのですが・・
若いころに織を習っていた時に、紅餅を作って、シルクを染めましたがこんなにかわいいピンクには染まらなかった記憶です。

紬フェスでしたので、恥ずかしながら私は20代のころの十日町かどこかの紬と母の南画の先生が描いた牡丹の帯を勇気を出してしめました。気分は同じく女学生(笑)。背中がもう丸くなっていて・・
京都のブログの合間に載せようと思いますが、ちょっと後になるかも。
結城紬の糸を作っている工芸士の方が結城を着ていらしたので嬉しかったです。
Eさんにもお会いできてよかったです。

カンカンさん コメントありがとうございます。少しの時間しかありませんでしたが、ご一緒できてよかったです。絣の着物の製作工程が見れてよかったです。いろいろと考えさせられますね。着物文化が少しでも多くの方に見直されることを願っています。

手間暇が凄いんですね!

着物って凄い手間暇かかったモノなんですね!
分かっては居ましたが再認識させられました。

あまり技法って気にしたこと無かったでのですが、お写真を見ていたら自分の着物ってどうやって作られて居るのかが凄く知りたくなりました。

ちょっと、あてにならないgoogle先生に相談に行って参ります(笑)

行きたかった紬展

アルバトロスさま
ああ、私も行きたかった!昨年いったときのブログが来ていて、ああ、懐かしいなあと思ってしまいました。
「本日の着物美人」のなかに入りたかった(笑)
また企画があったら、誘ってくださいね。

染のきもの

Rinzuさん コメントありがとうございます。Rinzuさんがお召しになる訪問着は織りというより染や友禅の世界だと思いますよ。こちらも奥が深いです。素人の私は友禅のよしあしがまだよくわかりません。今度教えてくださいね。

紬フェス

紫苑さん コメントありがとうございます。行ったとは言っても、本当に駆け足で申し訳ありませんでした。来年はもっとゆっくり見て回りたいと思います。またご一緒させてくださいね。

織物

機織はボランティアで時折やるのですが、本当に手間暇かかります。
織り始めるまでの手間が特に大変です。
それを仕事にする、生計を立てるとなると気が遠くなります。
かつて日本では各地にその地独自の織物があったと聞いています。
大半が滅んだと。
それも無理からぬことだと思います。
今残っているものは大切にしたいですね。
紬フェス、来て見た人達にそれを知らせるだけでも意義がありますね。

手織りの紬

みどりさん コメントありがとうございます。このイベントは作り手からじかにお話しを伺うことが出来るので貴重です。機織りの女性の所作が美しく、これは後世までも残していかねばと思いました。買うことも大事ですが60万だったりすると難しい〜。

感謝!

あるばとろす様

丁寧なレポート、わかりやすい、グッドなタイミングの写真、いつもありがとうございます。
臨場感あり、その場に参加してるようです。
なかなか、和物や興味あるフェスタなど近場でなくて。
いつもあるばとろす様に感謝です。
カンカンさんの帯、素敵です。なにか胸キュン。
三者三様でやっぱり着物って良いですね。

紬フェス

遊坊さん コメントありがとうございます。この紬フェスは反物の展示販売だけでなく、その作り手の実演なども企画していてとても勉強になります。いらっしゃるお客様もきものをいつもお召しになっているようなベテランさんが多いように思います。呉服屋さんだと本物の逸品を見るのも触るのも臆してしまいますが、ここでは、作り手のお話と本物の生地を触って知ることができます。
きものは着る人の個性に合わせて、三者三様で着れることが楽しいですね。

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プロフィール

あるばとろす

Author:あるばとろす
60代の東京の主婦です。2015年に祖母の着物を受け継ぎ、時々着ています。外資系企業で秘書や通訳ガイドをしていました。現在フランス語を学習中です。30年以上のバードウォッチャーです。あるばとろすはアホウドリの英名、仏名です。コメント大歓迎です。コメント投稿欄のパスワードは後からご自分で削除する時に必要なもので、なんでもいいです。An English and French speaking Kimono lover who goes out often to watch wild birds. Your comments are welcome if you like my photos!

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