祖母の浴衣

ブロ友さんからうれしいリクエストがありましたので、今日は祖母が遺した浴衣を着ました。



この浴衣は今年2月の拙ブログの「着物のちから」でも一度紹介していますが、着姿をアップするのは今回が初めてです。



yukata ai mae



yukata ai ushiro



yukata ai obi



帯も祖母の帯です。白の紗で萩が透かし織りになっています。



この祖母の浴衣は藍染で綿なのですが、非常に薄く、シャリ感があります。全体に藤、梅、松、その他が細かく染められています。綿紅梅のようなワッフル感はなく、全体が薄い生地なので、これが何なのか分からず、これまで何人もの方に、これはなんでしょう?と聞いていましたがどなたからも明確な答えがなく分からずじまいでした。



今日、友人とらくやさんのセールに行った(それは、また後日報告しますね!)帰りに、足をのばして、日本橋小舟町の「竺仙」さんの本店に行ってきました。ここなら、きっと、この浴衣がどのように織られて、染められているか、分かるのではと思ったのです。



chikusen mise



創業が天保年間のお店、竺仙です。172年の歴史です! わくわく!



戸を開けて、浴衣を見に来ましたとお伺いしたところ、狭い階段を上がって、2階の和室に通していただきました。



chikusen heya



浴衣の反物が整然と並んでいます。



勤続40年以上のベテランの方にご対応いただきましたが、ここでまず、「私の着ている浴衣は祖母の物ですが、これは一体どのような浴衣でしょう?」とお伺いしました。



すると、これは綿紗ですが、このように細い糸で織ったものは、今はもうほとんど作っていないとのことでした。そして、染は長板中形で、今これを作れる染物屋さんは2軒しかありませんとのことでした。



長板中形(ながいたちゅうがた)とは
藍一色による染めで、6.5mほどの長い板に木綿の白生地を張りつけ、順々に型紙を置いてへらで防染糊をつけます。乾燥したら、表の模様とぴったり重なるように、生地の裏面の同じ位置に型紙を置きます。型を写し終えた生地を藍甕に入れて、一気に染め上げます。染め上がった着尺の表裏に同じ模様が白く抜け、透けて見えているかと思うほどの、とても精密な柄合わせがなされています。この技法は熟練した技が必要で、重要無形文化財に指定されています。
(きもの用語大全より)



竺仙の方のお話では、表と裏に型染めの型の糊を置くのですが、それが表裏ちょっとでもずれたらだめなので、とてもむずかしいとのことでした。この祖母の浴衣はとてもよいものですと褒めていただきました。



これは、背中心の裾の裏のところの写真ですが、表と全く同じ柄です。



yukata ai ura



透け具合はどうかというと、こんな感じです。分かりますでしょうか?



yukata ai sukeguai



長い間疑問に思っていたことが、竺仙さんで解決しました!せっかくお邪魔したので、来年用に一枚注文してきました。



竺仙さんと言えば、万寿菊に代表されるような菊が有名ですね。



先月、藍の有松絞を買ったので、白系のおすすめはありませんかと伺ったところ、一つご紹介いただきました。(購入手続きは、先ほどの建物のお向かいのビルにある事務所でご対応いただきました。)



事務所で他の有名な菊の浴衣生地も見せていただきました。購入したのは一番左端の物です。



chikusen kiku



お店の外では偶然、小川社長にお会いできましたので、一緒に写真を撮らせていただきました。社長も浴衣を褒めて下さり、いいものを見せていただきましたとおっしゃって下さいました。



chikusen shacho



社長はじめ、竺仙の社員の方は、皆さん礼儀正しくて、とても明るいです。浴衣の老舗と聞いて、もっと入りにくいかと思っていましたが、全然大丈夫です。担当の方にいろいろ教えていただきながら、浴衣を選びにいらっしゃいませんか?楽しい訪問でした!

らくやさんのホームページ

私は人形町のらくやさんで着付けの最短コース(たった3回!)を受講しました。



ある程度着物の着方は知っているけど、何か今一つコツが分からない~という方に、きっと向いているコースです。



この講座に参加したからと言って、着物販売会に連れていかれて、反物を巻き巻きされることもありません。



久しぶりにらくやさんのスタッフブログを覗いたら、今開催中の特選振袖の数々がアップされています。眼福ものですので、ぜひブログをご覧になることをおすすめします。(もちろん買えません!



こちらがスタッフブログのサイトです。



らくやを始められた石田節子さんは、池田重子さんのお弟子さんなので、アンティークの豪華な振袖もお持ちで、時々公開して下さりますが、現代の振袖もなかなかすばらしいです。お見立てがいいのだと思います。



合わせて17日から始まっているレンタル品放出も、もしお時間がありましたら、ぜひお店に行って見てください。紬でもやわらか物でも、いいものはレンタル品でも、ある程度してしまいますが、まちがいがないものが置いてあります。私はここで昨年いろいろ買いましたが、みな気に入っています。染の北川の小紋が2万円という掘り出し物もありました。早い方がいいですよ。スタッフの方がいらっしゃいますが、押し売りはしません。センスのいい方が相談に乗ってくれます。



いま、石田先生のお弟子さんの秋月洋子さんが活躍なさってますね。



目が離せないお店です。

ステキ展

sognoさんのブログで紹介されていた黒柳徹子さんとビーズ作家の田川啓二さんの「ステキ展」に行ってきました!







sogno さん、いつも面白いイベントご紹介下さり、ありがとうございます!^_^ sogno さんのブログはこちらです。



日本橋高島屋8階の催事場ですが、狭い場所にキラキラ華やかなものがぎっしり展示されていて、女性ばかりすごい人でした。



16日までなのであまり日がありませんが、是非行って見て下さい。田川さんの作品は、華やかなのですが、みな品があります。センスがいいのだなと思います。



徹子さんのコレクションの帽子、バッグ、ガラスのペーパーウェイトも綺麗です。何より目を引いたのは、徹子さんがお持ちの江戸時代の小袖、田川さんのおばあさまの絢爛豪華な着物や帯です。




数は限られていますが、貴重な展示です。展覧会のカタログが今回は作られていないのがとても残念です。




sognoさんお気に入りの総絞りに桜の刺繍、桜の帯も素晴らしかったです。下記のyoutube に一部が紹介されています。(著作権の関係でいずれ消されてしまうかもしれませんが)行かれる方は、これを見てから行った方がいいと思います。



私はこのビデオでも紹介されている、青い小袖に様々な鳥が美しく刺繍されている着物に、目が釘付けでした。それぞれの鳥の特徴がいい加減でなく、きちんと描かれていて、しかも生き生きしています。この展覧会は、この後、京都、大阪と巡回して行くそうですよ。



[徹子の部屋」youtube




この日の着物は、去年、馬喰横山の着物問屋の辻和さんのセールで初めて買った麻の葉柄の夏大島です。本場の大島ではありません。帯は今年辻和さんで見つけた帯屋捨松の荒紗の帯です。











夏着物、あと何回着れるかな~!

喪服

去年の秋から心臓と腎臓が悪くなり、入退院を繰り返していた姑が病院で亡くなりました。96歳でした。



舅が亡くなってからですから、私達家族が姑と一緒に暮らしたのは、晩年の11年ほどです。



当時、私もフルタイムで働いていて忙しく、子ども達も思春期でいろいろ大変でしたが、いつも美味しいごはんを作ってくれて、助けてもらいました。




姑はもと薬剤師で、聖路加国際病院で日野原先生と同期で働いていたというのが自慢でした。化学に強いはずの姑でしたが、どちらかというと自然療法や漢方が好きで、東城百合子さんの本などを一生懸命参考にしていました。薬の恐ろしさを知っていたからかもしれません。




私自身は家族全員がA型の家庭で育っていて、テレビもNHK中心で、冗談とかが少ない家庭でした。真面目であることが大切で、遊びがないというか息苦しさがありました。50歳で亡くなった弟が小さい頃から難病だったのが、家族に影を落としていたのも影響があると思います。



姑はB型で男勝りの性格で、晩年も踊るさんま御殿を見て、ゲラゲラ笑っていました。一緒に暮らしていて、その明るさにずいぶん救われました。私の主人もAB型でちょっと変わっていますが、私にはない明るさがあり、これまた救われています。(外国人は血液型なんて、てんで気にしませんので、私の思い込みかもしれません!😅)




お気に入りの姑の幼少期の写真です。姑は私が今影響を受けている、主人の祖父の娘にあたります。



sougi 2



花が大好きだったので、花がいっぱいの斎壇にしました。🌸🌻🌼山野草を求めてお友達とたくさん旅行していたので、感謝をこめて、そのスナップ写真も生い立ちの写真とともに展示しました。会葬者の方に大変喜んでもらえました。これからもあちらから家族を守ってくれる気がしています。



sougi 1



姑の逝去で、この数年間介護していた高齢者3人の家族の見送りが終わりました。(祖母83歳、母93歳、姑96歳)(祖母は後妻だったので若いです!)自分達もいい歳なので、誰がまたいつ倒れるか分かりませんが、元気なうちが花!いずれ皆あちら側へ行くので、動けるうちにしたいことをしようと改めて思いました。



普通の主婦で夏の喪服を持っている人がどれくらいいるだろうかと思いましたが、祖母は持っていました!五つ紋なので正喪服になると思います。着させていただきました。左右の紋のバランスを揃えたり、帯締めの房を不祝儀にしたり、普通の着物と違う感覚を経験しました。紋付を着るうえで注意することなどあったら、ぜひ教えてくださいね。


絽の薄物です。


sougi 3



帯の柄は秋の七草のようです。



sougi 4



黒の草履とバッグは、去年ネットオークションでたまたま見つけ、500円くらいで買っていたのですが、大変助かりました。



環境が変わりますが、前へまた一歩踏み出します。

着物で星岡日本料理講習会

ことの始まりは、この古いテキストでした。



hyousi koshukai



私が着物を着るきっかけになった祖母の遺品の中に、このテキストがありました。魯山人が腕をふるっていた赤坂の星岡茶寮の流れをくむ「星岡」(ほしがおか)の日本料理講習会です。魯山人の名は知っていましたし、料理を作るのも好きですが、日本料理を本格的にというのは、自分とは程遠いことと思っていて、よく見ていませんでした。



ところが先日片付けものをしていたら、またこれが出てきました。パラパラとめくってみると日本料理の基本がびっしりと書かれています。



hyousi tebiki


mokuji.jpg



書き込みを見ると昭和46 年(1971年)から3年間通ったようで、前のひもでとじてあるテキストには、毎月の献立が写真と解説で大切に取ってあります。祖父が食通だったので、家庭でもおいしい料理を作ってほしくて、祖母をこの講習会に通わせたのではと思いました。



今、この講習会はどうなっているのだろうとネットで調べたら、なんと!まだ今も続けられていると知りました。



こちらがそのサイトです。



さらにネットで検索を続けると、この講習会への参加を綴っているカンカンさんのブログを見つけました。なんと、この方はお着物も着る!ということも分かり、不躾にもいきなり連絡をとってみました。すると、ご丁寧なご返信があり、5日にも行くんですよと教えて下さいました。



急でしたが、これも何かのご縁と思い、行ってきました。阿佐ヶ谷の星岡!



hoshigaoka.jpg



星岡茶寮が解体してから、以前は中野で行われていたそうですが、現在は阿佐ヶ谷の大正時代の家で開かれています。会員になると、一月一回のレッスン料が試食込みで、月々7000円で受けられるようです。
時間になると、前方に調理台と講師の方がいるお部屋に通されます。生徒は狭いベンチのようなものに座り、真ん中にいる講師の調理をみながら説明を聞きます。生徒は料理を作りません。



講師は年配の方でしたが、とても気さくな方でした。もちろん私は主婦として料理歴は長いですが、本格的な日本料理となると、包丁、出汁、合わせ酢、調理の名称から、分からないことだらけでした。それで疑問に思うことをいちいち伺うと、丁寧に説明してくださいました。この講師の方が、料理しながらいろいろ説明してくれるのですが、たとえば長芋を料理していたら、長芋と大和芋の違い、今日の料理はこうだけど、他にこういうおいしい料理の仕方があるなどの話が非常に面白く、料理が好きな人だったら、たまらなく面白いと思いました。



2時間くらいでしょうか、先生の説明が終わると床の間のある和室で生徒の人数分用意したその日の献立をいただきます。



washitu.jpg



今日のお料理です。

前菜      素麺もどき (長芋を使います)
椀       ゆばとうふ 貝割菜 舞茸
焼物      鮎酒塩焼 みどり酢添え (食器とのバランスを考えて
鶏のささ身の燻製も添えて下さいました。)
煮物      柳川仕立 焼茄子
強肴      鶏もも肉南蛮漬
小鉢      干かますむしり
ご飯      生姜ご飯



ryori aug 5



どれも、とてもおいしいものでした。



丁寧に料理を作るとここまで違うのかと、目からうろこのような気持ちになりました。一言で言うと、おもてなしの心がこもっている料理でした。素材の提供の仕方にも遊び心がありました。
普段さっさと料理したい方で、台所でスマホ片手にCookpadを利用しながら速攻で料理している私でしたが、ここでしばらく勉強してみたいと思いました。



講習会の開かれる場所が、古い日本建築と聞いて、着物で行きました。



natuoshima 1



黒の夏大島で、青い縦じまが所々にあります。去年らくやさんのレンタル品放出でゲットしたものです。



natuoshima 2



帯は眠れなかった夜にネットを彷徨っていて、出会ってしまった小千谷縮の帯です。



この出会いを作って下さったカンカンさんとのツーショットです。(私は、裾を長めにしたせいで、和室を歩くたびに裾を踏んでいたので下前も上前も下がってしまいました!反省!)(カンカンさんは有松絞です!いい柄です。) カンカンさんのサイトはこちらです。いっぺんでファンになりました。



kankan.jpg



最後に、恥かしいから顔は勘弁!とおっしゃった講師の先生とのツーショットです。



hoshigaoka sensei



本当にぜいたくな充実した時間でした。



追記: 今回この講習会に惹かれたのには、もう一つの理由があります。実は祖父が遺した日本料理用の食器があり、それを普段にどう使っていいか困っていたのです。祖父はカナダの貿易会社の日本人支配人として敏腕をふるう傍ら、私生活では100パーセント和の文化を愛していました。能の謡や能管をたしなみ、家元とのおつきあいもあり、よく自宅に招いて料理をふるまっていたようです。祖母は幸流の小鼓の名取で二人でよく音あわせをして楽しんでいました。日本料理が少しできるようになったら、食器のカテゴリーを作って祖父の食器を紹介してゆこうと思います。
プロフィール

あるばとろす

Author:あるばとろす
60代の東京の主婦です。2015年に祖母の着物を受け継ぎ、時々着ています。英語の通訳ガイドをしていました。現在フランス語を学習中です。(目標!仏検2級より上)30年以上のバードウォッチャーです。東京近郊、八ヶ岳南麓、三浦半島に出かけています。あるばとろすはアホウドリの英名、仏名です。お好きなカテゴリだけでもお読みいただければ幸いです。コメント大歓迎です。An English and French speaking Kimono lover who goes out often to watch wild birds. Your comments are welcome if you like my photos!

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