着物のちから

若い頃も、もちろん美人ではなかったのです。でもそこそこにちやほやされて、しあわせな時代を過ごしました。それが専業主婦を経て子育てに一段落して、50歳で職場復帰をした時に、思いっきり時間の恐ろしさを思い知らされました。オフィスでだーれも私を見ていない。若い人が多いオフィスだったせいもあるかもしれませんが、あの衝撃は今も忘れません。私はnobodyだったのです。

おととしに介護していた祖母と実母を亡くしました。二人とも高齢だったので、晩年は連れ合いをなくし一人になり、ひとりの「老い」にとまどっているようでした。二人とも何の前触れもなく突然逝ってしまい、目の前で骨になってしまいました。なんだか人生の終わりを見せつけられたようで、人の一生ってこんなにはかないのだと、何もかもにやる気をなくし、元気もなくしていました。

そんな時、祖母が遺した着物を誰も着ないというので、私が着なくてはと思いました。着物の種類も、良し悪しも全く分からない手探りでしたが、浴衣から着始めました

すると、着物を着ると気分もしゃんとして、普段のジーンズに綿シャツという姿から想像もできないようにフォーマル度があがります。浴衣でさえもです。周りの人の対応がまず変わりました。浅草のどじょう屋であった見ず知らずのおば様たちから褒められる褒められる。近所でいつも会うおばさまも、近くのスーパのレジのおねえさんも、スタバのかっこいいお嬢さんも声をかけてくださいます。「いいですねぇ」って。。

50歳以上の女性に声を大にして伝えたいです。着物を着ましょう!着物マジックがありますよって。着物を通じて知り合った方々がまたすばらしい。年齢を上手に利用して、着物でご自身を美しく見せています。これまでのママ友とも着物を着て会うと、びっくりしますが、さらに絆が深くなる気がします。

着物は作法とか着付けの仕方とかいろいろと大変と心配しましたが、その頃、NHKのインタビュー番組で、書家から抽象画家としてニューヨークでブレークした篠田桃紅さんの現在を見ました。「103歳になってわかったこと」というエッセイもベストセラーになりましたね。彼女の生き方もすばらしいのですが、桃紅さんが着るお着物がまたすてきでした。着付けもゆったりとして自由で。これを見たらもう、着物のあれはだめこれはだめなど、どこかへ飛んで行ってしまいました。桃紅さんの記事がありました。

着物を着ると、これまでだれも振り返らなかったnobodyから着物を着る人somebodyになれますよ!

着物の伝統のちからでしょうか。着物や帯を織る人、描く人のちからでしょうか。私は着物からちからをもらいました。ちからだけでなく、これから老いと向かい合っていくのにいい相棒というか生きるよすがというか、そのようなものを得た気がします。

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祖母の浴衣です

おばさんのくだらない戯言ですが、皆さんにお伝えしたくてつい。駄文お許しください。


コメント

おはようございます✨

朝から涙出てしまいました‥
私は実母を40代で亡くしました。年齢的にはいい大人なんですけど、私は末っ子で親に依存していたので、亡くなった現実は気が遠のく感じで今もあの瞬間は思い出すと何とも言えぬ気持ちになります。

遺品を整理したら、日舞をやっていたので実に沢山の着物が‥
そこで私もこの着物を着ようと週末着物生活を始めました🎵

自己流の着付けでピッたっと着てはいませんが、日舞も復活して母の着物、母が作ってくれた着物着ています✨

それにしてもおばあ様の浴衣✨素晴らしいですね❗
目を見張る素晴らしさですね❗
現代ではこんな浴衣ないですよね✨😍

あるばとろすさんの記事をみて、らくやさん予約しちゃいした🎵
お店の方に「あるばとろすさんがブログで紹介されていたのでお問い合わせしました🎵」って言ったら‥
「お名前は⁉」と。「あるばとろすさんです(笑)」
てな感じで最後は爆笑😆💣✨
行ってきますね🎵来週✌

おはようございます。

私は母が亡くなって母の着物を着始めました。
若い頃は着付け教室にも通って、そこそこ着ていたのですが、すっかり遠ざかっていたのです。
関西では、京都はともかく大阪では着物を着て褒められるということはあまりないです。
合理一辺倒の土地柄ですから。
というか、私が着物を着ると仲居さんに間違えられる。(^^;)
だから着物を着るのが観劇とかコンサートに行くときだけになっています。

おばあ様の浴衣、素晴らしいですね。
そんなのがあれば着物を着ようという気になりますね。
きっと粋な方だったんでしょうね。

着物を受け継ぐということ

かやのさま
そうでしたか。末っ子でかわいがられていたのでしょうね。そのお母様の着物を受け継がれているというのはすばらしいことです。お母様の愛情を身にまとっているのですから。そのうれしさは本人しかわからないかもしれませんね。日舞もされているとは、きっとお母様も喜ばれていることでしょう。着物を着始めてから日舞の踊りをテレビなどでみると思わず見入ってしまいます。究極の美しさを追求していますね。らくやさん、楽しんできてくださいね。日本橋人形町界隈は独特の雰囲気でいいですよ。e-68

お母様の着物

みどりさま
お母様も着物を着ていらしたのですね。おうちの中に着物の文化があって、その中で育っていたのはだいぶ違うと思います。祖母は能の鼓の名手でしたが、晩年は能学界とも距離を置いていました。白洲さんのように女であったことも関係しているのでしょうか。確かに粋な女性でした。e-266

その通りです‼️

あるばとろすさんの仰る通りです。
日本人の民族衣装「着物」は纏うと本当にどの様な方でも数段美しくなるのです。
現に私もずんぐりスタイルなのですが着物を着ると背筋がシャンとして洋服よりずっとスタイルが良く見えるようで街ゆく方々にお誉めの言葉を頂きます😊
お買い物に行くとおじさんがオマケしてくれます😁
この美しい「着物」一人でも多くの日本人の方に着て頂きたいと願っております。

素敵な浴衣ですね😍
私もあるばとろすさんにお会いしたいです😍
いつの日かお江戸に行かねば‼️




ありがとうございます

梨 Rinさま
私自身そうであったように、着物って自分で着るの無理、一式そろえると高価と思っている人が多いのでしょうね。そのような方たちに、いろいろ簡単な方法がありますよと伝えていきたいです。着付け教室や、販売店主催でない着付け体験が、近くの公民館であるとよいですね。
いつか梨Rinさんにお目にかかるのを楽しみにしています。ブログやコメントからその人となりが分かり、昔の文通のようでいいものだな~と思っています。日本全国の方とお知り合いになれてうれしいです。

No title

初めまして、いつも拝見させて頂いています。
私の着物生活も、最近では伯母と母の着物を着るという事が、目的のようになってきています。
2人とも真夏のひと月以外は、着物でしたから 残された物は紬類ばかり、こりゃ~普段きものを着ないとと、お茶のお稽古も再開し毎回着物で行っています。ひどい時は足袋以外はすべて母の物なんてこともあり、羨ましがられています。
伯母や母に包まれているようで、とってもいい気分
「あるばとろすさん」のブログに、うんうんと頷いてしまいました。同じ思いの方、たくさんおられますよね きっと。

No title

今晩は~。
遊びに参りました~♪

着物ならではの力ですよね~e-69

過去の人と現代の人を結びつける。
人を魅了する。

本当に多くの方に「着物の力」知って貰いたいですよね~v-335

No title

nobodyからsomebodyそして、
今はonly oneですね。
私も自分なんてなんの意味もないし、役立たず、って
落ち込んだ時があります。
一生懸命介護したのに母が認知症のためとは言え、私の悪口を言っていたのを知っただめでした。
どこにも出たくない、みんなが悪口を言ってるみたいで塞いでいました。
そしたらTVから♪世界でひとつだけの花~。。
もともと特別なonly one♪って流れてきたのです。
あぁ、私だって意味あって生まれてきた。
私は私、良い処いっぱいあるはずって元気がでました。
素敵なonly oneめざしましょう!

ありがとうございます

phenix さま
はじめまして。よろしくお願いいたします。お母様と叔母さまがお着物生活だったのでしたら、お二人とも着物が好きで、今度こんなの買ったのよとかおしゃべりを楽しんでいたのかもしれませんね。そんな愛された紬をまとうのはなんと幸せなことでしょう。でもこの幸せは着物を着る人でないと分からない特別な喜びですね。またコメントお待ちしています!e-266

Only one

aunt carrot さま
お母様の介護大変でしたね。うたで救われてよかったです。あのようなすばらしい写真を撮られるaunt carrotさんが特別でないはずがありません。その感性をこれからも咲きほこらせてくださいね!昔10代の頃、詩集をよく読んでいましたが、aunt carrotさんの写真には詩情があります。これからもすてきな写真、ブログ楽しみにしています。e-266

着物のちから

Rinzuさま
ありがとうございます!先日神楽坂でリサイクルショップのはしごしてきました。その中のお店で、店員の方がもとは男性と思われるのですが、女性の着物を着ていらしていて、対応してくださいました。とてもお似合いで、着物ラブの気持ちがすごく伝わってきました。コーデの相談にも乗っていただきよかったですよ。これも着物のちからですね。e-266

No title

お早う御座います。

「着物の力」ありますよね。

過去の人から現代の人を結ぶ力
人を魅了して新しい人と知り合える力
モノを大切にしようとする心を作る力

本当に「着物の力」多くの方に知って頂きたいですよね。
特に女性は着物を着て居るだけで魅力が10倍増し位には成りますからねこれも力で宜しいでしょうかね(笑)

No title

御免なさい。
記事にコメント入れたのが消えちゃったと思ってもう一回書いたら一番下にありました。
新しいコメント消して置いて下さい(泣)

着物の力

Rinzuさま
コメントありがとうございます。前のコメントが後のコメントでさらに詳しく書かれていらしゃるので、そのままにしますよ。ありがとうございます。e-465

初めまして

初めまして こんにちは♪
ここFC2に ブログがあったのですね (*^▽^*) 
気づくのが遅くて 申し訳ないです
木蓮も 着物女子初めて 2年半ぐらいですね
カメラの関係から 着てみるか? はーいという感じで初めましたが  
まったく そういう環境になかったので どうしていいかもわからず 撮影で 行っていた白鳥庭園での 講習会や お寺の着付け教室 和菓子セミナー など 手を広げて 知らなかった世界が広がりました 
母も 着物を着る世代でなかったので 特に何もなく でも 2枚 いただいてきました 
プライベートが 私を頼りにする人が多くて なかなか忙しい状況ですが 着物姿でお出かけしたいですわ 
これからも よろしくね 
ブログ交流されてくださいね 
 

着物女子

木蓮さま
ありがとうございます。ブログの着物女子計画の書庫拝読させていただきました!どんどん着物の魅力にはまっていかれる様子がとてもリアルに伝わってきて楽しかったです。このうれしさは、着る人にしかわからない気持ちですね。こちらこそよろしくお願いします。名古屋のこといろいろ教えてくださいね。

すてきな浴衣

今頃コメントしてごめんなさい。
ほんとにすてきな浴衣ですね。
浴衣ではなく、衿をしてきたら綿紅梅の着物としてりっぱに着れると思います。
たくさんある物の中から何を選ぶか?
同じ物なのに着る人が違うとまったく違ってみえる事もあります。
50歳を過ぎると歩んできた人生が顔にでますね。
私も先月母を亡くしました。
けっして悪口を言わない人でした。
98歳でしたが、小さい頃からミッション系の学校に通っていたので、奉仕の精神にあふれていました。
まだまだ、母の足元にも及びませんが、あちらで会った時に褒めてもらえるように頑張りましょう。

浴衣

さちりんさん
ありがとうございます。これは綿紅梅でしょうか?透け感があります。いつか目利きの人に見ていただこうと思います。すてきなお母様だったのですね。さちりんさんに最後までお世話してもらい、きっと喜んでらっしゃると思います。これからの人生を守ってくれることでしょう。e-235

No title

素敵なエッセイありがとうございました。
わたしも祖母と母が遺した着物からスタートしました。
確かに不思議な力があります。着ると守られているような
そんな感じもします。
はじめて能を見たときも着て行ったらこちらの
心の準備もできたようなそんな感じ。
能を舞う人、演奏する人たちへのリスペクトも
表現できたかしら。
気持ちが整い引き締まる感じもいいです。
篠田桃紅さんの着物も生き方も素敵で
すぐエッセイを買っていっきに読みました。
年を取ることをプラスにして生きて行きましょうね。

着物

カンカンさん ホントに着物を着れるようになってよかったと思います。着物を着ることでこれまで知っていたつもりの日本文化のいろいろがまた違って見えます。再発見の連続です。お能は橋掛かりの向こうから霊が渡ってくるのが大好きです。

お能

能デビューしたばかりですが、
今度観世清和を見てみたいと思っています。
この前見たのは宝生流の能楽堂でしたが
薪能とかさらに幽玄の世界が広がって
おもしろそうですね。
いつかご一緒したいですね。
銀座の能楽堂のオープニングにもっと注目して
いればよかったと思いました。
翁を見たかった。あの重力感のない天から恵みを
降らせる豊穣の願い。霊の世界も面白そうですね。
観世清和の対談も面白いです。
http://www.the-noh.com/jp/people/actors/001a.html

お能

カンカンさん ありがとうございます。祖父は観世の当時の家元とも交流があったようです。40年前に青山の観世能楽堂で、観世寿夫とフランスの俳優ジャン・ルイ・バローが演劇の表現の比較について語るというワークショップがあり、 行ったことが忘れられません。寿夫さんはその後若くして亡くなり、とても残念でした。今の能がどんな感じかぜひ行って見たいですね。いつかご一緒してくださいね。

ジャン・ルイ・バロー

素敵なおじい様から若いころからたくさんのものを
得ていたのですね。
ジャン・ルイ・バローの「天井桟敷の人々」は
私の好きな映画ベスト3に入ります。
学生時代に見ていたNHKの「楽しいフランス語」の
ニコラ・バタイユのコントが大好きでした。
フランスのエスプリっていうかそんなものを
感じましたね。

天井桟敷の人々

カンカンさん 天井桟敷の人々について語れる方と知り合えるとは、うれしいかぎりです。祖父は私が主人と結婚すると決まった時に初めて会いました。祖父は90歳でした。私が若い頃好きだったお能を祖父たちが家で楽しんでいると聞き、うらやましく思ったものです。当時NHKのフランス語は渡邊守章先生で、一生懸命見ていました。その能楽堂のワークショップではマドレーヌ・ルノーも来ていて胸をときめかせました。ハロルドとモードはフランスに一回だけ旅行で行った時に、舞台で見ました。古い話なのにいまだに鮮明に覚えています。(#^.^#)

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プロフィール

あるばとろす

Author:あるばとろす
60代の東京の主婦です。2015年に祖母の着物を受け継ぎ、時々着ています。米国系企業で秘書や通訳ガイドをしていました。現在フランス語を学習中です。30年以上のバードウォッチャーです。東京近郊、八ヶ岳南麓、三浦半島に出かけています。あるばとろすはアホウドリの英名、仏名です。お好きなカテゴリだけでもお読みいただければ幸いです。コメント大歓迎です。An English and French speaking Kimono lover who goes out often to watch wild birds. Your comments are welcome if you like my photos!

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